〈爻辞〉
「孚あり威如たれば、終に吉」
〈読み方〉
まことあり いじょたれば、ついに きち。
<爻辞の意味>
「真心と威厳がある。ついに吉を受ける」
「風火家人」の卦は「一家の人」について説かれた卦です。
そんな中この上爻は、家を治める道が成就したところです。
家をよく治めるには、人を感動させるほどの「真心」と、人を感服させるほどの「威厳」…この二つが必要です。
それを備えた上爻は、吉を受けると言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
上爻は卦の終わりにあって、家がととのったところです(変ずると水火既済)。
そういう全体の終始は別として、この爻を個々に見てみますと、貞正を尚ぶこの卦で、位に当たらないのはこの爻だけです。
しかも一番高い所におります。
これは家の後見役・御隠居さんで、非常にやかましい人です。しかし、その厳格さも、ただ威張るだけのやかましさではなく、家を本当に良くしようする誠意から出発しているのです。
「孚あり威如たり」というのは、それです。
人を、恐れ慎ましくさせるので、位に当たらず陽爻であることが、この後見人的な立場から返って吉を得るのです。
自らが経験してきた事を顧みて、吉を得るのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)