風水渙(ふうすいかん)本卦

独学者のための易経解説
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風水渙 本卦

ふうすいかん ほんか



風水渙 本卦の解説

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<卦辞> 
「渙は、亨る。王有廟に假る。大川を渉るに利ろし。貞に利ろし」

<読み方> 
かんは とおる。おう ゆうびょうに いたる。たいせんをわたるに よろし。ていに よろし。



<説明の要点>

「渙」とは「散らす」ことです。
(これは良いことも、悪いことも散らしてしまいます)

ひとつ前の「兌為澤」という悦びの卦のあとに、この「散らす」卦が置かれたというもの、悦び怠ればすべてが散ってしまうということからです。

また、内卦の坎(水)を「憂い」「難み」とし、外卦の巽(風)を風で吹き払うとした場合、その憂悶を吹き散らすということになり、理解しやすいかもしれません。

あるいは、水は流れて行き、風は吹いて止まらないので、ここに渙の象を見ることもできます。

これに似た卦として「雷水解」というものがあります。

解も、内卦が坎(水)であり、それを外卦震の春暖・鼓動をもって解散させるという卦です。

両者の違いとしては、震は奮動威武とするところから、解が解消させる坎苦は現実的・肉体的なものです。

一方、渙において渙散させる坎苦は、巽でもって行うものなので、より観念的・精神的なもの…渙の坎苦は「憂悶」と見る傾向が強いです。

また「山風蠱」においては、風の流れが塞がれて生じた蠱敗を巽(風)によって渙散させるという意があります。

この「風水渙」は精神が渙散する卦と言えますが、それと対照的なのは、「澤地萃」です。

澤地萃は、人心が萃る(あつまる)卦ですから、この風水渙と対照させて考えると良いでしょう。

渙は、気が晴れないものが伸びやかになって散ることにより、亨るわけです。

しかし伸びやかになれば怠り、散れば離れ去るのが常であって渙散する人心は萃め(あつめ)なければなりません。

そのために「王有廟に假る」のであり、その意義は「澤地萃」の所で説明してある通りです。

至誠をもって神明祖考を祀るとともに、一方では大川を渡るような大事難業をも起こし、人心をそれに集中させ民心の緩怠を緊張させなくてはなりません。

しかし、その大事は単に人心を萃めるためだけの空虚なものではなくて、実質的に人心を惹きつけるものでなくてはならないというのが「貞に利ろし」なのです。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)