艮為山(ごんいさん)本卦

独学者のための易経解説
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艮為山 本卦

ごんいさん ほんか



艮為山 本卦の解説

━━━主爻
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〈卦辞〉
「其の背に艮まり、其の身を獲ず。其の庭に行きて其の人を見ず。咎なし」

〈読み方〉
その せに とどまり、その みを えず。その にわにいきて その ひとを みず。とがなし。



〈説明の要点〉

艮は山を卦象とし、止まるという意味を持っています。

この卦の形から山というものを結び付け、その山は「動かないもの」で「止まって」おり「高い」のです。

「其の背に艮まり」と言っていますが、一陽が二陰の上に乗っているのは、背の象や頭の象にとることができます。

しかしここで「背」としているのは、人間の体の部位で、一番動かない場所が背中であるからです。

人間の手や足・眼や口などは人間の欲望を満たすため、こまめに動くものですが、背中はあまり動きません。

背があまり動かないというのは欲がないからだと考え、淡白であることを文章化したのが、この艮為山の卦辞なのです。また、艮をもって人間とするので、艮為山の卦辞は人体に当てられました。

「其の背に艮ま」って、私を利する心がない。

それが「其の身を獲ず」です。

そして欲というものがなければ、我も求めず人もまた求め来るわけがないので「其の庭に行きて其の人を見ず」の閑寂です。

それはもとより、功を成す所以ではないので、亨るとも吉ともないですが、過ちを生むこともないので「咎なし」と言っています。

また天人地の三才観では、上爻を天、中爻を人、下爻を地としますが、艮が得ているのは上爻の陽で、中爻ではありません。ですから人を獲ていないと言えるでしょう。

艮為山の四爻では「其の身に艮まる」と言っているのも、身は中爻にあるとする考えからです。

そしてまた、この卦を門に見立てることができますが、その内部が空虚なのは、門から覗いても内庭に人影がない象にもとることが出来ます。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)