かんいすい ほんか
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━━━主爻
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〈卦辞〉
「習坎。孚有り。維れ心亨る。行きて尚ばるるあり」
〈読み方〉
しゅうかん。まことあり。これ こころ とおる。いきて たっとばるるあり。
〈説明の要点〉
「習」というのは「重」と意義相通ずるものですから「習坎」とは、坎を二つ重ねたという意味です。
また、この卦が坎を二つ重ねているように、坎苦に坎苦が重なっているのが人生であるということも含まれています。
坎は、二陰の間を一陽が貫いているわけですが、それは人にすれば孚(まこと)です。
艱難苦労の中にあっても自分の信じるところを変えない。
そういう風であるならば、必ずその一心は通ずるものである。
けれども誠孚(せいふ)が通ずるというのは、必ずしも利益や報酬がもたらされるわけではなく、孚が塞がれずに通ずること以外に、何を求めようとするものでもありません。
それを表すために、特に「維れ」の一字を挿入しているわけで、維とは「ひとすじに」と言う意味と「唯に」という意味の両方を含んでいます。
しかし、このように中心にある孚は、うちに蔵っておけば良いというだけのものではなく、必ず通じる時があり、また自ら進んで通じさせなくてはなりません。
すなわち、その孚を行いに現して通達させ、坎険に打ち克つのもまた、自らの誠心に忠実を示すことになるのです。
重険の中にあっても、孚を失わない、いや、孚あればこそ険中にも陥ったのである。
それゆえ一筋に、誠意の通じる事こそ念じ、利益などには眼中なく、行うところもただ、その志が高尚であることだけを欲するといった孤高の精神が言外にあふれていることを感得しなくてはなりません。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)