かんいすい初

独学者のための易経解説
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坎為水 初爻

かんいすい しょこう
まずは、やさしい解説から

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〈爻辞〉  
「習坎。坎萏に入る。凶」

〈読み方〉 
しゅうかん。かんたんに はいる。きょう。

<爻辞の意味>
「穴の中の穴に陥っている。凶」

「坎為水」の卦(か)は「困難に処する道」について説かれている卦です。

そんな中この初爻は、穴の中にできた更なる穴の中に落ちてしまっている状態です。

ひとつの穴に落ちてしまっただけでも抜け出すのが困難なのに、この初爻は穴の中の穴に落ち込んでおり、とうてい抜け出すことなどできないのです。


「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。


加藤大岳述 坎為水 初爻

<説明の要点>

習坎とは、本卦のところの説明の通り重険です。

坎を穴とすれば、穴の中に穴のある所です。

しかも、この爻は最下位にあるので、穴の底に陥っているようなものです。

「萏」というのは、穴の中の小穴のことで、穴の中で一番深い底にあたります。

ですから、出ようとしても容易に出られません。

習坎を穴に象ってみると、この爻が陰柔不正で重険の卦の最下位にいることを上記のように見ることが出来ますが、これを社会生活の上に考えてみますと、坎は刑罰であり、法律です。

それが二つ重なっているこの卦は、重犯の象です。

一度、罪を犯して法に触れ罰を受けたなら、すぐに行い改めるのではなく、また罪を重ねるのです。

それも険しい坎苦に満ちた世の道に処し「維れ心亨る」の誠孚を貫く事の出来ない陰柔な爻だからで「行きて尚ばるるあり」の坎の意に適わない爻であると言うべきでしょう。

このような陰柔な者が「道を失う」ことを免れるためには、傍の正直な者の力添えに頼らなくてはなりません。

しかし、応爻の四爻もまた陰柔で、他を救うどころではないし、比爻の二爻は陽正であっても「坎に険あり」で、なんとか坎の中で己を支えているのだから、この初爻にまで手が及びません。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)


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