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〈爻辞〉
「校を履きて趾を滅す。咎なし」
〈読み方〉
こうを はきて あしを めっす。とがなし。
<爻辞の意味>
「足かせをかけられる罰を与えられる。大きな咎めはない」
「火雷噬嗑」とは「障害を打ち砕いて和合一致させる道」について説かれた卦(か)ですが、それぞれの爻の意味としては「罪人」と「罪人に刑罰を与える役人」として書かれています。
罪人を裁いて(障害打ち砕いて)、平和的にする(和合一致させる道)のが火雷噬嗑の卦ですから、なんら違和感はありませんね。
そんな中この初爻は「罪人」の側ですが、罪人の中でも一番軽いものです。
ですので刑罰も一番軽く、足かせをつけて自由にさせない程度のものです。
そのような軽い罰でも、この初爻は反省し、再び悪いことをしなくなるので咎はないと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
頤中の一陽の障害を取り除くのに、本卦のところに「獄を用うるに利ろし」とありましたが、この初爻は、卦の始めであり「刑獄」の一番軽い意味のところです。
一番重いのは死刑ですが、この初爻の刑は軽くて、足枷を付けられるのです。
「校(こう)」は、木を組み合わせて締めるようにした責め道具「かせ」のことです。
位置は、初爻ですので足……それで足枷です。
その足枷のために、足が見えなくなっていることを「校を履きて趾を滅す」と言っています。
震の主爻ですから猛進しやすい、やけになったりして微罪を大罪にまで進めてしまいやすい。
そこで初罪のうちに少し痛い目にあわせ懲らしめる。
位から言っても庶民ですし、罪から言っても浅いので、一度罰すれば立ち直る見込みがあります。
それで「咎なし」なのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)