〈爻辞〉
「田して三狐を獲る。黄矢を得る。貞吉」
〈読み方〉
かりして さんこを うる。こうしを うる。ていきつ。
<爻辞の意味>
「狩りをして三匹の狐を撮る。黄色の矢も得る。正しいので吉」
「雷水解」の卦(か)は、「困難が解け散る」ことについて説かれた卦です。
そんな中この二爻では「困難」を生み出す邪悪な存在を狐にたとえ、その狐を三匹も仕留めることができたと言っています。
使った矢も手元に戻るため、損失もありません。
その行為は、正しいため吉だと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
「田」というのは「田猟」のことで、猟をすることです。
内卦と互体の坎離を弓矢とします。
また、離は網と見るので、猟の象があります。
坎を穴とし、隠伏とし、奸智とするので、これを狐とします。
また、この二爻は、三陰の坤の中央に一陽の正直を貫いたものなのでこれを三狐と言い、黄矢と言ったのです。
黄は地の正色で、坤の中爻を表し、矢は一陽の直なるを喩えたものです。
つまりこれは、解のときに当たって君位の五爻と相応じ、狐のように邪悪な小人を取り除くのに、剛中の爻であるために、激しすぎて善俗までもを畏縮させるようなこともなければ、緩怠に陥って侮りを受けることもありません。
ちょうど猟をして獲物を得るように小人を除くばかりでなく、その獲物に刺さっていた黄金の矢も拾うように、そこから喜びをも湧きださせる。
それは矢が真っ直ぐ飛んで、目的の中央を射抜くように、解の道に中っているからです。
ここに「貞吉」とあるのは、その不正の位を咎めず、事に当たって良く適合するその正しさを、二爻の剛中の上に見たものだと言えるでしょう。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)