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<爻辞>
「眇能く視る。幽人の貞に利ろし」
<読み方>
すがめ よくみる。ゆうじんの ていに よろし。
<爻辞の意味>
「片目だが、どうにか物を見ることができる。奥深いところに引っ込み、静かにしているのがよろしい」
「雷沢帰妹」とは「正当ではない」ことについて説かれた卦(か)です。
正当ではないということを、女がお嫁に行くことを例にして、各爻で説かれています。
そんな中この二爻は賢い女なのだけど、嫁いだ相手が柔弱で正しさのない男であるために、内助の功を発揮できません。
その不自由さを「片目だが、どうにか物を見ることができる」と喩えています。
しかしいったん嫁いだからには離縁すべきではなく、奥深いところに引っ込み静かにしているのが良いと言っています。
この二爻が、正夫人なのか妾なのかというのは色々な説があるようですが、大体の解釈に相違ありません。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
同じく内卦兌の卦としては、天沢履というのがありました。
天沢履の外卦は乾であり、礼を具えた卦としました。
帰妹の外卦が震であるのは、その乾である父が亡くなって、長男が後をとった形だと見ることができます。
すると、世話や監督が充分でなく、若い娘に間違いを起こす象もあるわけですから心すべきです。
そして、この卦に出てくる「跛」も「眇」も、「幽人」も、やはり履のところに出て来ておりました。
この二爻も、初爻同様、娣であります。
そしてこの爻は中を得ている徳があり、初爻が自分を跛として完全ではない者と見なしたように、二爻は眇でもあるかのように自分が表立とうとはせず、幽人のそれのように、夫の寵愛を専らに求めません。
そうして情欲から去るのであれば、これもまた常を失わない者と言うことができるかもしれません。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)