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<爻辞>
「突如其れ來如。焚如。死如。棄如」
<読み方>
とつじょ それ らいじょ。ふんじょ。しじょ。きじょ。
<爻辞の意味>
「突然、焼かれて死んでしまう。そして屍は捨てられる」
「離為火」は「付く・明らか・太陽・火」を意味する卦(か)です。
そんな中この四爻は、主に「火」と「太陽」を用いて説かれています。
まだ夜明け前で辺りが薄暗く、様子が解らないので本来ならばむやみに動き出す時ではありません。
しかしこの四爻は突如として動き進み、失敗をし、焼かれて死んで、屍を捨てられてしまいます。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
三爻の日昃くところで一つの離は終わったのに、また外卦の離がある。
それを突如として現れたように記しているのは、火の性の烈しいことや、この四爻が陽剛不正で牝牛を畜うべき離の道に敵わない強暴さを表現したものです。
この爻は、坎の卦に当てれば六三に該当します。
坎の彼は、陰柔不才をもって坎萏に陥ったのに対し、こちらは強剛暴烈をもって容るところがないのです。
坎の性は下るので、外卦の坎の下にはまた内卦の坎がある……その境界を入った位置に六三を見ましたが、離は上がる性があるので九四にそれを見ています。
したがって、坎の六三に「來るも之くも」とあった「來る」とは、内卦に来ることを指し、之くとは外卦に行くことを示していましたが、この爻に「來如」とあるのは、内卦から外卦に来ることになるわけです。
しかし、その暴烈さをもってしては「來るも之くも離離」とでも言いましょうか、もとより戻ることもできず進んで迎えられることもなく、坎の六三が水がゆえに穴に陥ったように、これは火ゆえ焚きつくし、その命を終わらせ、しかも顧みられることなく棄て置かれる。
離の時にあって、不正の位に麗き、しかも陽剛暴烈であるために突如として焚かれる如き災難を招き、死滅し、なおかつ顧みられないこのような者は天下に身の容れる場所がない……このような見方になるでしょう。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)