さんかひ4

独学者のための易経解説
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山火賁 四爻

さんかひ よんこう
まずは、やさしい解説から

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〈爻辞〉
「賁如。皤如。白馬翰如。冦するに匪ず婚媾せんとす」

〈読み方〉
ひじょ。はじょ。はくばかんじょ。あだするにあらず こんこうせんとす。

<爻辞の意味>
「飾りが盛んなので、白で飾り直す。白馬に乗って協力者のもとへ駆ける」

「山火賁」の卦(か)は「飾る道」について説かれた卦です。

そんな中この四爻は、世の中の飾りが過剰であることを憂い、派手な色ではなく白色で飾り直そうとします。

しかし自分は力不足であるため、その仕事に協力してくれる人のところへ白い馬に乗って駆けていくのです。

そのことを「害を加えようとして、その人のところへ向かうのではない。協力し合いたいから向かうのだ」と言っています。

※※ 上記の解釈は明治生まれの漢文学者・公田連太郎先生の訳に基づくものですが、下に続きます加藤大岳先生の解釈では「白で飾り付けたい相手のもとへ疾走する」とあります。
ぜひ、併せてお読みください。



「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。





加藤大岳述 山火賁 四爻

<説明の要点>

乾為天の四爻で「或いは躍りて淵にあり」とありましたように、四爻の位というのは危惧の位です。

ですから賁にあっても、進退の紛らわしいところがあります。

賁如というのは、賁ること。皤如は、まだ染めない生地の白さを表したもので、質素(生まれながらに具えている資質)のことです。

だから、まだ何も賁っていないのです。

しかし、賁る心がないわけではありません。

いえ、それどころか疾走する馬のような早さでもって今すぐにでも賁りたい。
翰如というのは、飛ぶように早いことです。

それでは、何を賁るかと言うと柔が剛を賁るのです。

というのは皤如の質素なこの爻は、応爻に当たる「車を捨てて徒す」る素朴な初爻を賁ろうとしているのです。

けれども剛をもって柔を賁るのも、また賁で、比爻の三爻が側から挑んで初爻との間を隔てています。

もっとも、この三爻が、この四爻に求めるのは婚媾であって、決して冦を加えようとしているわけではないので、ついには尤め(とがめ)無きを得るというのです。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)



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