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<爻辞>
「父の蠱を幹す。用て誉れあり」
<読み方>
ちちの こを かんす。もって ほまれあり。
<爻辞の意味>
「先代からの腐敗を正して、誉を得る」
「山風蠱」の卦(か)は「腐敗を正す道」について説かれた卦です。
そんな中この五爻は、先代からの腐敗を一新することに成功し、誉を得る者です。
しかしこの五爻は一人の力で一新させたわけではなく、信頼できる人の助力あっての成功なのです。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
五爻は君の位ですが、これは陰爻なので柔中の君です。
蠱の時ですから、この爻も父の蠱を幹すわけですが、他の爻と違って蠱を上手く正すことができ、それが上手く運ばれ、名誉を得るのです。
五爻は賢明な太子で、蠱の時、死んだ父が遺していったやぶれを継承するのですが、幸い中の徳を持っているので、上手く治めていくことができるのです。
変ずると「巽為風」となりますが、これは風が二つ重なった卦です。
ですから風がその性能を最も働かせる時……万物に触れて新鮮な気をもたらしていくという流通無害の働きをします。
その結果、今まで蠱が悩みに悩み抜いていた「流通しない」という重くるしさを、さらりと吹き飛ばし、明朗にしてくれます。
それを「蠱を幹す。用て誉れあり」としています。
蠱というのは初めから、このように流通するようになる事を目標としていたわけですから、誉れがあるのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)