水地比(すいちひ)本卦

独学者のための易経解説
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水地比 本卦

すいちひ ほんか



水地比 本卦の解説

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━━━主爻
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<卦辞>
「比は吉。筮に原ね、元永貞にして咎なし。寧からざるもの方に来る。後夫は凶」

<読み方> 
ひはきち。ぜいに たずね、げんえいていにしてとがなし。やすからざるもの まさに くる。こうふは きょう。



<説明の要点>

水地比は地水師とちょうど反対の卦で、師が争いであるのに対し、比は親しむです。

師は、下に水があり、地が上にあって相背くかたちでしたが、比は下に地があり水がこれを潤すので、互いに居るところを得て相親しむのです。

比の字は、人が二人並んだ形です。

対峙するのではなく、近しみ交わるのです。

従って、並ぶと言っても競争するのではありません。

比には「並ぶ」「交わる」「親しむ」「助ける」「和む」「楽しむ」といったような楽しい意味があります。

「比は吉」とは、親和することは良いことだということです。

「筮に原ね」というのは、人と交わる時、悪い人と交わってもいけないし、分不相応な相手を求めてもいけない…交わるべき人を見定めて交わるために、筮を執って問うように誠の気持ちで考えよということです。

「元永貞にして咎なし」とは、先輩には先輩のように、同輩なら同輩のようによく礼を履んで(ふんで)交際する…これを幾久しく、どんな時でも忘れなければ咎はないということです。

しかし比にも悩みがあります。

五爻のように地位の高い人が衆と親しもうとすれば、心の落ち着きを得ない人、何事も不安定な人がこぞってやってきます。それが「寧からざるもの方に来る」です。

「後夫は凶」とは、良い人と親しくするのなら、ぐずぐずしていてはダメ、早い方が良いということです。

「善は急げ」、時期を失ってはダメということです。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)



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