沢火革(たっかかく)本卦

独学者のための易経解説
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沢火革 本卦

たっかかく ほんか



沢火革 本卦の解説

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〈卦辞〉 
「革は、已る日にして乃ち孚とせらる。元いに亨る。貞に利ろし。悔い亡ぶ」

〈読み方〉
かくは、おわるひにして すなわち まことと せらる。おおいに とおる。 ていに よろし。くい ほろぶ。



〈説明の要点〉

革というのは、革新・改革などと使われているように「あらたまる」という意味です。

「獣皮。その毛を治め去る」というように、本来は「つくりがわ」に革まるところから、革には改まるという意味が生まれました。

夏から秋にかけ、獣の毛が抜け変わるのも、やはり革であります。

内卦離を夏とし、外卦の兌を秋とします。

夏の繁茂から秋の枯凋への推移は、最も際立って見える自然界の変化です。

また寒暑の移行に対して生物も、毛換えや換羽をして様子を一新させます。

これが革なのです。

それゆえ、結果から見ると革とは、新しくなることですが、その新しさを旧態の上に加えるのではなく、まず古いものを取り去ることを前提とし、そこに新しい場面が自ずと生まれてくるのです。

ですから、革という動きは、新しくなるというより「故きを去るなり」という見方ができます。

しかし獣を毎日、観ていても、その皮がことごとく抜けてしまうということは、実際に抜け変わったのを知るまでは、どうも本当のように思うことができません。

このことを卦辞では「已る日にして乃ち孚とせらる」と言っています。

それは自然の風物や生物ばかりでなく、人間の生活や社会などの変革も、それが実際に目に見せられるまでは信じられないものでです。

また同じことを逆に言えば、革新をしようとする場合には、どうしても新しくしなければ、古いままでは役に立たなくなってしまったということが誰の目にもハッキリとしたときを捉えて行わなくては上手く運びにくいと言えるでしょう。

これを、この前の井の卦と結び付けて考えてみると、井戸は汲んでも尽きないものだが、永いあいだには「収みて幕う莫し」の上の方から色々な汚いものが落し込まれたり、底の方にカスが溜まってきたりすると、どうしても井戸さらいをしなければならなくなります。

それも一つの革なのです。

このように革は、故くて用いられなくなったものを捨て去って、新しい進歩を計るものですから「元いに亨る」わけなのです。

しかし、その変革は正しい道を進む一つの転機としての変化で、決して邪な道に脱線してはいけません。

虎の毛が抜け落ちて、そこに狐の毛などが新しく生えたのではどうにもなりません。

それが「貞に利ろし」です。

こうして故きを去ることにより、その故さのために生ずる悔いを消滅させることができるわけです。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)