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<爻辞>
「征けば凶。貞なれども厲うし。革言三たびにして就る。孚有り」
<読み方>
いけば きょう。ていなれども あやうし。かくげん みたびにして なる。まこと あり。
<爻辞の意味>
「進んでいけば凶。正しいけれども危うい。人々から改革の声が何度も上がってくれば、その改革は成就する。信頼される」
「進んでいけば凶。正しいけれども危うい。人々から改革の声が何度も上がってくれば、その改革は成就する。信頼される」
「沢火革」とは「改革・革命」について説かれた卦(か)です。
そんな中この三爻では「その改革に進んでいくなら凶」だと言っています。
その改革は確かに必要で正しいのですが、今すぐ行うのでは時期が早いため理解されず危ういのです。
「改革が必要だ」という声が世論として何度も挙がるようになってくるまで待つことができるなら成功し、信頼もされるのですが、この三爻は急ぎすぎ、やり過ぎの傾向があります。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
これは離の極まるところにいるので、火の性質の中の激しい面を見るのはいつもの通りです。
改革を行うにしても急に過ぎ、暴に流れ、しかもその機の熟さないうちに決行して失敗を見るということになるので、二爻とは反対に「征けば凶」と戒めています。
この爻が陽位に陽爻でいるのは正しいのですが、正しいために過剛となる危険があるのです。
それが「貞なれども厲うい」ところなのですが、この「貞厲」は「征凶」にかかっているとともに、次の「革言三たびにして就る」にも、かかっています。
と言うのは、征けば凶であるけれども、そうかと言って征くことをやめて旧状に貞く固執することは危険を蔵していて、どうしても改めなくてはならないという声が起こり募って来ているのです。
革言とは、改革を行えという意見のことです(応爻が兌の主爻)。
それが一度ならず二度三度と迫って来て、もはや制することのできない勢いとなって遂に決行される。
「就る」というのは「成就」のことで行い果たされることを意味し、この爻が内卦の終わりにあることを見ております。
このように、やむにやまれずして行われたのであれば、それは誠孚によって為されたものとし、誰も疑いはしません。しかし、機の熟する時をもって行わず、勢いの極まる人をもって行うのですから、多大な犠牲も出てしまうわけで凶に違いありません。
しかしまた、事ここに至っては、他にどんな方法があるでしょうか?この短い辞ではありますが、その意味深さを嘆かざるを得ません。
「已る日」の、已るところを内外卦の境に置いているので、この爻の「厲うさ」はその境界にある点を主として見ています。
また「就る」ところは、内卦の終わりにある点を主とした見方と言えるでしょう。
それからまた「有孚」は卦辞の場合もそうですが、文字通りに「孚あり」と読んでいますが、本当は「孚ありとされる」といった意味となります。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)