たくらいずい上

独学者のための易経解説
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沢雷随 上爻

たくらいずい じょうこう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>
「之拘係す。乃ち従いて之を維ぐ。王用って西山に享す」

<読み方>
これ こうけいす。すなわち したがいて これを つなぐ。おう もって せいざんに きょうす。

<爻辞の意味>
「まるで縛り付けられるように万民から心服されている。これも神のお蔭と西山を祀る」

「沢雷随」の卦(か)は、「従うこと」について説かれた卦です。

そんな中この上爻ともなると「従う」ことの究極に至ります。

その「心服・従う」ことの至極であることを「綱で縛り付ける」と表現しています。

このような万民からの大なる心服も神のお蔭とし、西山(岐山)をお祀りしたと言っています。



「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。





加藤大岳述 沢雷随 上爻

<説明の要点>

初爻は、従うことの始めでありますが、この上爻は終わるところに当たっています。

初爻が従ったのは「官の変転」でしたが、上爻では、その従うところは、まるで縛られていて動けないように強く艮まる(とどまる)ところです。

隋の事に極るところ、隋の道の極点である…そういった意味です。

まず「之拘係す」の之というのは民心のことで「拘係す」はつなぎとどめておくこと、縛って動かないようにしておくことです。

「王用って西山に享す」とは、まず「享す」とは奉ることで、色々なものを奉げて祀ることです。

ここは従うことの極であって、万民が君主に心服していて君主の傍らから動こうともしない。

その様子がまるで杭か何かへ綱でしばってあるようなのです。

それを上から言えば、下の民心を得ているところで、その様子を見て昔の王は、これも神や先祖の庇護のおかげであるとし、西山(中国の山で岐山のこと)に祀ったというのです。

この故事は太王が夷の難を避けるため岐山にその居を変えたら、住民のすべてが太王について岐山に移ってきた……そんな風にすべての住民が綱で引きずってこられたように付き従ってきたというのに基づくとされています。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)



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