てんたくり3

独学者のための易経解説
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天沢履 三爻

てんたくり さんこう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>
「眇能く視るとし、跛能く履むとす。虎の尾を履めば、人を咥う、凶。武人大君たらんとす」

<読み方>
すがめよくみるとし、あしなえ よく ふむとす。とらのおをふめば、ひとを くらう、きょう。ぶじん たいくん たらんとす。

<爻辞の意味>
「目が悪いのに、よく見えるつもりになり、足が悪いのに歩くことが達者だと思っている。
虎の尾を踏み、食われてしまうので凶。武人が大君のようになる」

この「天沢履(てんたくり)」の卦(か)は、人が物事を履み行うことについて説かれた卦です。

そんな中この三爻は、能力がないのに気ばかりが強い者です。

目がよく見えないのに見えるつもりになり、足が悪いのによく歩けると思っているのです。

そのように気ばかりが強いと、一時期は活躍したとしても、大変危ういことです。

そのような者は、虎の尾を踏み、食われてしまうと言っています。



「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。





加藤大岳述 天沢履 三爻

<説明の要点>

「眇」と言っているのは、人並みの視力をもたないという意味です。

「跛」とは、片足の悪いこと、つまり「びっこ」です。

この爻は、「礼を履めば咥われない」に反する爻で、爻辞にも「咥う」とあります。

「武人大君たらんとす」とありますが、この爻が変ずると乾となり、乾を大君とし主人とするので「大君たらん」とする勢いを持っていると見るのです。

この爻は、陽位に陰でおり、不中不正、弱いくせに分外のことをやりたがる。

気ばかり強くて力がない……礼が達者でないのに丈夫な人の後に従って行き、虎の尾を履む危うさに入ってしまう。

慎み恐れて、退き守れば亨るのに、思いあがっていくから虎に咥わる危険がある。

自分の目は眇であるのに、はっきり見えるとし、足は萎えているのに、まだ達者だと信じて強情を張る。

あるいは、その力もないのに野望を抱いて(陽位にいるので)大君たらんとし、災いを受けるのです。

「眇」とは、互卦の離が内卦と外卦にかかっているところからです。

また、三爻を陰暗と見てでもあります。

「跛」の股は、互卦の巽が、やはり内外卦を股にかけているので、弱いとします。

虎は、外卦の乾。

人を咥う口は、内卦の兌。または互卦巽の倒兌です。

この爻は、口の上にいるので、尾を履まれいきなり振り向いて、口を開いたところで、人を咥うということになります。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)



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