天山遯(てんざんとん)本卦

独学者のための易経解説
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天山遯 本卦

てんざんとん ほんか



天山遯 本卦の解説

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━  ━主爻
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<卦辞>   
「遯は亨る。小は貞に利ろし」

<読み方>  
とんは とおる。しょうは ていに よろし。



<説明の要点>

この卦は、「豚」に「辶」をかけた字を卦名とし、「トン」と読みます。

豚は逃げ足の早い動物で、「遯」という字は逃げ隠れるという意味です。

形を見て分かりますように、下から陰(小人)が増してきて、上の四陽を消し去ろうとしているのです。

それゆえ、陽の君子は、陰の小人の災いを退き避けなくてはならないという意味を持っています。

象を主にして言えば、内卦の艮(山)の中に、外卦の(乾=君子)が隠遁している象と見ることができます。

また、「遯」といって「退」としなかったのは、退き止まるのではなく、遯れて避けることを重く見たからです。

「水雷屯」の悩みは、若い暗昧を切り開く建設的なものでしたが、こちらは邪に基づく世の中の暗昧から身を守るための保全策です。

小人を導いたり、小人を制するため争ったりすることもありますが、この「遯」の時は、ひとまず退き避けて、回転の機を待った方が良いということです。

いきなり「遯は亨る」と言っておりますが、これは「遯れて亨る(のがれてとおる)」という意味です。

遯れなければ害せられます。

遯れてこそ、正道のとおる気運も回ってくるのです。

「小は貞に利ろし」とは、遯の時は小さい事であれば害を被ることなく差し支えはないと言う意味です。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)