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<爻辞>
「好めども遯る。君子は吉。小人は否らず」
<読み方>
このめども のがる。くんしは きち。しょうじんは しからず。
<爻辞の意味>
「好み愛するものがあっても退き逃げる。君子は吉。小人なら、そうはできない」
「天山遯」とは「良からぬものから退き逃げる」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中この四爻は、好むものに後ろ髪引かれる思いがあっても、逃げるべき時には潔く逃げることができます。
君子ならそれができますが、器の小さな者にはできかねると言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
三爻は親兄弟のごとく断ち難い関係と見ましたが、四爻はそれよりも一歩速やかに遯がれています。
しかしそれは、内外卦の境のところであり、完全に逃げ出せたというわけではありません。
初爻の陰と応じているので、それを「好むところがあって、惹かれるような状態にある」と見るわけです。
だから「好めども遯る」です。
好むところがあるけれども、そのよしみを損なわず、適切さをもって逃れるということなので、これができるのは君子です。
小人であれば、好むものに溺れ脱することができないか、あるいは強いて逃れようとするならば好むものに凶害が生じます。
それを「君子は吉。小人は否らず」と言うわけです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)