〈爻辞〉
「明らかならずして晦し。初め天に登り、後に地に入る」
〈読み方〉
あきらかならずして くらし。はじめ てんに のぼり、のちに ちに いる。
<爻辞の意味>
「道理に暗く愚かである。初めは天に登るが、後には沈んでしまう」
「地火明夷(ちかめいい)」の卦(か)は、「明らかなる者が傷つけられる時代」について説かれた卦です。
そんな中この上爻は、傷つける側の張本人です(五爻のところに出てきた紂王に当たります)。
道理に暗く愚かであるため、一時は華々しく成功しても、後には没落してしまいます。
(紂王は君主となったのち、酒池肉林に溺れ国を滅ぼしてしまいました)
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
これが、明夷の昏昧を作った頭で、二爻を文王にあて五爻を箕子に喩えるならば、この上爻は紂王に見立てることができるでしょう。
純陰坤の極まるところにいて、自らの暗愚を覚らず、力にのみ頼ります。
はじめは晋の離日が天について昇ったような勢いで四海に君臨しても、やがて日は西方へ没するがごとく、人君たるの則を失って、その身を滅ぼすような結果に終わるというのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)