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<爻辞>
「師、左次す。咎なし」
<読み方>
し、さじす。とがなし。
<爻辞の意味>
「軍を退却させる。それゆえ大きな失敗をせずに済む」
この四爻も戦の大将です。
二爻が理想的な優れた大将、三爻は無鉄砲であるため死者をたくさん出す大将…、
そしてこの四爻の大将は、才能は乏しいけれど無鉄砲な性格ではないため無理をせず、軍を退却させる賢さはあります。
それゆえ、大きな咎めを免れるのです。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
前の三爻は、陽位に陰で居て、妄進して尸を輿うことになりまし
たが、この四爻は「師、左次す」とあり、退却することを言っていま
す。
「左遷」などという言葉があるように、左は退く、右は進むです。
「次」は「やどる」です。
この四爻は、陰位に居る陰なので、位そのものは正しい。
しかし中を得ていません。
志も力も弱いので、敵を制して勝つことが出来ない。
その自分の力、時の勢いを知って軍営を退く。
正位にいるので、三爻のように妄進することもなく退いて無事を
保つのです。
退くことを知るのも、また軍の道で、その常道を失わない。
それに、すでに坎険を脱しているので、助かる意味もあります。
だから咎もありません。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)