ふうらいえき2

独学者のための易経解説
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風雷益 二爻

ふうらいえき にこう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>
「或いは之を益す。十朋の龜も違う克わず。永貞にして吉。王用て帝に享す。吉」

<読み方>
あるいは これを えきす。じゅっぽうの きも たがう あたわず。
えいていにして きち。おう もって みかどに きようす。きち。

<爻辞の意味>
「色々な者がこれを益す。高価な亀で占っても違わない。永く正しい道を守って吉。王はこの人を用いて神を祀る。吉」

「風雷益」とは「物を増す。益すること」について説かれた卦(か)です。

そんな中この二爻は、色々な人から益を与えられています。

そのことは高級な亀を使って占っても間違いがありません。

王からの信頼もあつく、このものを通じて神をお祀りするほどです。

ですので、これからもずっと正しい道を守っていけば吉だと言っています。


「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。


加藤大岳述 風雷益 二爻

<説明の要点>

益の初爻が、損の上爻に当たる一面があるとすれば、この二爻は損の五爻にあたるところの爻と言えるでしょう。

その爻辞も、損の五爻とほとんど同じで、損では元吉とあったのに対し、ここでは「永貞にして吉」となり、その上に「王用て帝に享す。吉」と付け加えられているだけの違いです。

「或いは之を益す。十朋の龜も違う克わず」は、損の時と同じ意味です。

この爻は内卦の中を得ていて、乏しい下を治めて行く地位に立っています。

「或いは之を益す」のは、益を行う爻である四爻とは応にも比にもなっていないので、四爻から自分は直接、益を受けなくても、その益するところが初爻から自分の所へも回って来る。

その利たるや、あえて疑うところはありません。

ただ、損の五爻には元吉とあったのに、ここでは「永貞にして吉」となっています。

それは治める者と従う者との立場の違いであって、五爻の君位に対するこの臣位を考えてみれば、すぐに納得するところです。

永貞とは、永くいつまでも正しいところを守って動かない事で、あたかも柔順中正のこの爻が、それに当たっているわけです。

こうして下を益し、民の苦しみを去って天下が治まるということは、もとより人の努力あってのことに違いありません。

そこには時の利ろしさも加わってはいるでしょうが、しかしその、人や時なるものの力を突き詰めて考えると、それだけでは片付きません。

何か、それ以上の大きな力の存在を考えないわけにはいかなくなります。

それをここでは「天帝」というもので表現しました。

すなわち王は天帝を祭祀して、その益利に感謝すると言うのです。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)


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