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<爻辞>
「其の羣を渙らす。元いに吉。渙らして丘る有り。夷の思う所に匪ず」
<読み方>
その ぐんを ちらす。おおいに きち。 ちらして あつまる あり。つねの おもうところに あらず。
<爻辞の意味>
「自分の仲間を解散する。大いに吉。散らして集まる。凡人の思うことではない」
「風水渙」とは「散る、散らす」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中この四爻は、国内が散り乱れ、小さな団体ばかりがあちらこちらにある状態です。
それを一度、解散してしまうことで、今度は統一された丘のように大きい団体が再編されるのです。
そのことを大いに吉と言い、そして凡人には想像もし得ないことだと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
この四爻が成卦主爻であり、巽風をもって坎水を渙らします。
この卦は元々は「天地否」であったものが変化したものです。
天地否の内卦坤の一陰であったものが衆陰(羣)から離れて高き丘に従ったかたちです。
坤の衆陰から離れたのは、私党を渙らしたようなものです。
しかし渙らしたままで終わらせず、改めて高きに従って集まらしめ、いわば私の利を去って、公の利に萃まらしめるのです。
その志すところは仲間の薦めではありません。
このような者こそ光大と称すべく、大いなる吉を得るわけです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)