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〈爻辞〉
「国の光を観る。用いて王の賓たるに利ろし」
〈読み方〉
くにのひかりをみる。もちいて おうの ひんたるに よろし。
<爻辞の意味>
「国の様子を観察する。王に賓客として優遇され、仕えるべきである」
「仰ぎ観る・観察する道」について説かれた、この「風地観」の卦(か)において、この四爻は、王のそばにいるので国全体を観わたすことができます。
国を観察できることで益々、自分の力を養えるわけですから、その力を役立て王に仕えるのがよろしいと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
この四爻となりますと、さらに観の道に長じて来ますので「国の光を観る」と言い、更に王に賓客として尊ばれます。
初爻の「童観」から順次、観の道に長じて来て、自分ひとりの挙措を正しく見て行動できるところより、さらに進んでこの爻に至りました。
この爻から外卦に入り、つまりは上より下を見る側の一員となったわけです。
内卦坤は大衆であって、下から仰ぎ見るほうですが、外卦は風が木の枝をゆすぶり、葉を振るわせ、その行くことを示す。
その示す本体のほうへ入ってきたわけです。
四爻は上にあって、よくその下にある者を観察する。
陰位に陰でいるところから、その観察の仕方は正しく、国の様子を正しく見極めます。
至らない者には導きを、不善にして道に叶わぬ者がいれば正道に反らせる手段を講ずる。
こうした能力のある者に対しては五爻の王からしてみれば、大いに挙げ用いてやるべきで、侯となして地方を治めさせるのが良いのです。
国の光の「光」とは、風俗や国の状態です。
それがよく治まっているか、いないかということなのですが、それを見て正しい方へ導いていき、また天子にも朝覲(ちょうきん=諸侯が天子に会うこうと)し臣節を尽くすことに対し、君主も大いに尊び賓客として優遇するわけです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)