ふうざんぜん3

独学者のための易経解説
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風山漸 三爻

ふうざんぜん さんこう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>
「鴻、陸に漸む。夫征きて復らず、婦孕みて育わず。凶なり。冦を禦ぐに利ろし」

<読み方>
こう、りくに すすむ。ふ ゆきて かえらず、ふ はらみて やしなわず。きょうなり。あだを ふせぐに よろし。

<爻辞の意味>
「鴻が平原に進んだ。夫は行ったまま帰らず、妻は子を育てない。凶。外敵を防ぐがよい」

「風山漸」とは「徐々に進む」ことについて説かれた卦(か)です。

鴻(コウ = カモより一回り大きいくらいの水鳥)が水から離れて徐々に高いところへ行く様子に喩えて、各爻が説かれています。

そんな中この三爻は、鴻が大きな岩からまた一歩進んで、平原にまで来たところです。

しかし平原は水鳥である鴻にとって、落ち着いていられる場所ではありません。

そのことを「夫は行ったまま帰らず、妻は子供を育てない」ことと重ねています。

そのようでは凶であることは間違いないので、ちゃんと一所に落ち着いて外敵から身を守るようにしなくてはならないと言っています。


「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。


加藤大岳述 風山漸 三爻

<説明の要点>

この三爻は陸に象っています。

ところが鴻は、水鳥なので陸は最も安住しがたい場所なのです。

陽をもって陽位にいて、しかも中を得ていないこの爻は、漸の時にあって騒進を望み、それゆえ安らかさを得られないところがあります。

そのような騒進のため、もたらされる破れを、これは女の嫁ぐ卦ですから、夫婦の交わりに当てて考えています。

そうするとこれは、順をふまず正式ではない婚を結び、末を遂げられずに悲嘆するようなものです。

これを爻の交わりに即して言うならば、天地否の三爻であった陰爻が、四爻にあった陽爻と交わったのは、正しく相応ずる交わりではなく、近しき者に泥んだと言えます。

それによって坤体の二三四爻の中に一陽を含むこととなり、そこに懐妊の象が現れます。

しかし、その一陽は、互体の坎の主爻であって、坎水をもって流れるとし止まらずとするので、交わりを結んだ夫は止まらずして去り、身ごもった子は流れて保ち難いのです。

これらは、凶であること間違いありません。

これが漸の順を履んだ正しい結婚であったなら、三爻は上爻と交わり結ぶべきで(そうすると沢山咸ですが)、卑近に泥んで四爻と交わるのは、冦を加えるようなものです。

ですから、これを防いで騒進の血気を鎮めなくてはならないということなのです。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)


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