かすいびせい初

独学者のための易経解説
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火水未済 初爻

かすいびせい しょこう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>
「其の尾を濡す。吝」

<読み方>
その びを うるおす。りん。

<爻辞の意味>
「尻尾を濡らす。恥ずべきことだ」

「火水未済」とは「物事が未だととのわない、未だ成就しないこと」について説かれた卦(か)です。

ひとつ前の「水火既済」とちょうど反対の意味であり、対にして覚えるべき卦です。

そんな中この初爻では、子狐が川を泳いで渡ろうとして、尻尾を濡らしてしまい(失敗して)引き返してくると言っています。

物事がととのっておらず、これで良いという状態ではないため、何とかしようとするのです。

しかし自分の力不足を見極められず、失敗して戻ってくるわけですから恥ずべきことだと言っています。


「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。


加藤大岳述 火水未済 初爻

<説明の要点>

既済の初爻には「其の輪を曳き、其の尾を濡す」とありました。

それに対し未済では、輪と尾とを、初と二とに分けています。

それは未済は既済とは反対に、その初めは難くとも、努めて倦まない時には、後に済う意味があるので、始めは軽騒・妄りに進むことを戒めなくてはなりませんが、「輪」という物はひとりでに進んでしまう心配のないものなので剛中の二爻に当てています。

そして、妄動する小狐の尾を濡らすのを初爻に当てたと見るべきでしょう。

「其の尾を濡す」の意味は、既済の初爻と同じです。

そして既済では「咎なし」を得ましたが、未済ではこれから渉らなくてはならないのに、その初めに妄りに渉りかけ、早くも力疲れて、その尾を濡らして引き返してくるのです。

それは、己の力も知らずに事の難易も分からない極みであって、吝としています。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)


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