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<爻辞>
「旅、其の次を焚く。其の童僕の貞を喪う。厲うし」
<読み方>
りょ、そのじを やく。その どうぼくの ていを うしなう。あやうし。
<爻辞の意味>
「旅先で、宿舎が焼けてしまった。召使いも忠実でなくなった。危うい」
「火山旅」とは「旅をすること」について説かれた卦(か)です。
これは現代の「楽しい旅行」の類ではなく、昔の人が住居を失うなどによりやむを得ず流浪するような旅のことです。
安全は保障されず、寂しく、不便極まりない旅です。
そんな中この三爻は、泊まっていた宿舎が焼け、召使も自分に忠実でなくなってしまい、危うい状況に陥っています。
なぜなら、この三爻は旅先で威張るため、周囲の人々や召使いからも背かれてしまったからです。
旅先においては特に、柔順・謙虚であることが必要ですが、三爻はそれができない者です。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
この三爻は、陽位に陽でいるため過剛に陥って、旅の災いを招きます。
ちょうど二爻と反対です。
ここでも、旅において最も大事な宿と童僕とを例に揚げています。
そうして、慎み従うことを尊ぶ旅の時に、強剛のため災いを起こすことを示しています。
外卦の離に接しているので、宿舎を焚くとします。
また変じて坤となるので、童僕を喪うと見たわけです。
貞と厲については、「かたくすれば厲うい」と言った意味に取ります。
陽位に陽でいるから正しいのだと固執し、あくまで強剛に偏ればとても危い…。
むしろ陰に変じ火地晋となって、素直に進んで行けるような旅にするべき事を告げていると言えるでしょう。
この陽爻が二陰の上にある象から、旅にあって苦しいこと辛いことをみな下に担わせるので、童僕も背き去って、その忠義を失ってしまうのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)