━ ━
━ ━
━ ━○
━ ━
━ ━
━ ━
<爻辞>
「嚢を括る。咎なく、誉れなし」
<読み方>
のうを くくる。とがなくし、ほまれなし。
<爻辞の意味>
「袋の口をくくって、中にあるものを出してはいけない。そうすれば、褒められることもないけれど、災いも避けられます」
ひとつ前の乾為天の四爻では「不安や迷いがあっても進むべし」であったのに対し、
さすが従う卦の坤為地は、何かを持っていても積極的に出すべきではないのですね。
袋の中の物は、たとえそれが才能であってもお金であっても、今は出す時ではないのです。
そうすれば褒められることもないかわりに、災いも起きないと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
「嚢(のう)」とは袋のことで、坤にはもともと「嚢」や「布」という意味があります。
坤為地の中程にある三爻と、この四爻は、袋の中身に喩えられています。
嚢の口をくくって、才能の中身を隠しているのですから、咎もなく誉れもないのです。
「大賢は愚なるがごとし」にも当てはまります。
過ちを犯さない代わりに、格別に褒めたたえられることもない。
しかし、この四爻は、君位である五爻の近くに居るのだから、特に慎んでいるのが良い。また慎まなくてはいけないと言えます。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)