〈爻辞〉
「公用て隼を高墉の上に射る。之を獲て利しからざるなし」
〈読み方〉
こう もちいて はやぶさを こうようの うえに いる。
これを えて よろしからざるなし。
<爻辞の意味>
「大臣が高い塀の上にいる隼を射る。これを取り除いたことは大変よろしい」
「雷水解」の卦(か)は、「困難が解け散る」ことについて説かれた卦です。
そんな中この上爻は、世に困難をもたらす邪悪な者です。
しかし邪悪ながら、高い塀の上にいる隼のように地位だけは高いので、討ち取りにくい存在なのです。
それを大臣がようやく除き去ることができるので、大変よろしいと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
小人は媚惑をもって利を求める……そのことを二爻では狐に喩えました。
その利をむさぼることの飽く無きことを、ここでは肉食鳥の隼に喩えています。
二爻は坎の主爻なので、穴にある獲物に当て、この爻は卦の高い所にあるので、高い?の上に止まっている獲物に当てています。
小人を除く解の極まるこの爻に至って、内もようやく清掃されたので、今度は高い城壁の上で内部の隙をうかがっているような(実がないのに高位に昇って私利をむさぼることのみ考えている)隼を射とめます。
そうして、平和を乱し正しきに逆らう、道に背いた小人を取り除いてしまえば、初めて解の難患脱却が遂げられたというわけです。
もう、すべてが具合よくなって行きます。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)