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<爻辞>
「由りて予しむ。大いに得るあり。疑う勿れ。朋盍簪る」
<読み方>
よりて たのしむ。おおいに うるあり。うたがうなかれ。とも あいあつまる。
<爻辞の意味>
「皆が集まって楽しむ。大いに志を行える。疑ってはいけない。そうすれば同志も集まり助け合える」
「雷地予」は「悦び楽しむ」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中、この四爻こそが、自らが中心となって皆の悦び楽しむ世をつくる存在なのです。
しかし、皆の中心となる者は、とかく妬みや疑いを持たれがちです。
それを知っているこの四爻は、ともすれば「自分は疑われているのではないか」といった考えに陥りがちです。
しかし「疑うなかれ」と説かれています。
そのような気持ちを持たず、皆の悦び楽しむ世を作るという正しい志で進むべきである、そうすれば同じ志の仲間も寄ってきて助け合うことができると説いています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
唯一の陽爻であるこの四爻は、衆陰が集い寄って予悦を求めることから「由りて予しむ」となります。
衆望を得て大事を司って、その志を行うことができますが、君位(五爻)ではなく、しかし君位側にあるこの爻に、そのような勢いが生ずると、上を凌ぐ疑いが起こってきます。
けれども疑ってはいけません。
一本のかんざしで髪を束ねるように、一陽をもって衆陰をくくる自然な姿であるに止まるだけで、この爻に邪心があるわけではないと言っています。
元々この爻は、陰位に陽でいるので疑いの起こる所以があるのです。
そしてその疑いは君より疑って見られるだけでなく、この爻自らも疑い見られる事を恐れる遅疑を感じるわけですが、疑ってはいけません。
この爻の陽を疑って変ずると、純陰の坤となり全ての予悦(もちろん五爻の予悦も)をすっかり地にかえしてしまうことになります。
ですから疑いを排して由悦を保たなくてはなりません。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)