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〈爻辞〉
「其の趾を賁る。車を舎て徒す」
〈読み方〉
その あしを かざる。くるまを すて かちす。
<爻辞の意味>
「自分の足を飾る。車に乗らず歩いていく」
「山火賁」の卦(か)は「飾る道」について説かれた卦です。
そんな中この初爻は、自分の足を飾ります。
「自分の足を飾る」とは、自分の行いを正しく修め飾ることです。
多くの人は高価な車に乗ることを誇りとしますが、この初爻はあえてそれをせず、正しいことをしたその結果が徒歩(質素)になるのであれば、かまわずそうします。
高価な車で自分を飾るのではなく、自分の足を飾るのです。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
賁はすべて、賁ることの終始軽重をもって辞がかけられています。
初爻は、賁ることの初めに当たっているので、素朴な、あまり目立た
ないところの賁りです。
体の部位で言えば、一番下の趾(あし)が、最も素朴なところです。
車に乗ることのできる資力ある者が、自然から与えられた身体を意識し、親ゆずりの脛で歩く。
これもまた飾りのひとつで、自然の素朴な賁を活かすことになるので、賁の時、賁の道に従うことになるのです。
また、この爻は陽位に陽でいて、正しさを得ています。
ですから車に乗れないのではなく、乗らないということで、これを君子の賁だと言っています。
人間の天から与えられたものを順当に用いて行くのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)