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<爻辞>
「父の蠱を幹す。小しく悔あるも、大なる咎なし」
<読み方>
ちちの こをかんす。すこしく くいあるも、だいなる とがなし。
<爻辞の意味>
「先代からの腐敗・乱れを、その子供が正す。少し後悔するところもあるが、大きな過ちはない」
「山風蠱」の卦(か)は「腐敗を正す道」について説かれた卦です。
そんな中この三爻でも、初爻と同様に「父(先代)が残していった腐敗・乱れを、その子供が正す」と言っています。
しかし初爻と異なるのは、初爻に出てきた子供は、才能も強さもそれほどではありませんでしたが、こちらの三爻に出てくる子供は、強くて志の正しい子供であり、しかし強すぎる・やり過ぎる点が欠点でもあります。
そのため、いくら「正す」と言っても若干、後悔するような点が出てきてしまいます。
しかし「腐敗を正す」という志自体は大変素晴らしいのですから、大きな過ちとはならないと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
蠱では、初爻がまだ傷が小さく繕いやすいところでしたが、だんだんと爻が上がるにつれ、そのやぶれが深くなります。
二爻は初爻よりも治めにくくなっていますし、この三爻は内卦巽の卦極で外卦に接しているため、なお一層、難しくなっています。
二爻は中を得ていたので、難しい中にも救われるところがありました。
しかしこの爻となると陽位に陽でおり急進的で、一気呵成に事を遂げようとするところがあるので、ともすれば破綻、手ぬかりをしやすいです。
強硬に過ぎて、少し悩みのあるところです。
しかし元来、蠱は、ひたむきな情熱で事に当たらなくては収拾できないものなので、(強硬に過ぎたとしても)咎はそれほど大きくはない、ということです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)