━━━
━ ━
━ ━
━ ━○
━ ━
━ ━
〈爻辞〉
「之を剥す。咎なし」
〈読み方〉
これを はくす。とがなし。
<爻辞の意味>
「仲間を剥ぎ落とす。咎めを受けることはない」
「山地剥」の卦(か)は「剥ぎ落とすこと」について説かれた卦です。
上にいる君子を下の邪悪な者たちが剥ぎ落とそうと企むわけですが、しかしこの三爻は、そんな悪い仲間から自分だけが離れる道を選びます。
他の仲間たちに比べ、この三爻は君子に縁があるため、君子を陥れるようなことはできないのです。
仲間を失うことにはなりますが、所詮、邪悪な仲間です。
結果的に咎められるような過失は犯さないで済むのです。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
三爻は、上爻の正応です。
剥卦は、五陰が上爻を剥尽するという意味で名づけられたものですがこの三爻だけは正応にあたる上爻を剥すに忍びなく、体裁よく逃げて陰謀に加担しないのです。
初爻は牀を剥すに足を狙い、二爻は辨を狙った。
これで言うと三爻は君子の腕でも折らなくてはならないのでしょうが、徒党から離れて手を出さないわけです。
ですから上下の四陰を仲間と見て、仲間を失うとしています。
剥の五陰が一陽を剥尽して行こうとする時、この三爻のみはその仲間の中にあっても、一陽のほうへ志を向けて、他と行動を共にしない。
いわば小人中の君子であり、咎なきを得るのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)