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<爻辞>
「婦其の茀を喪う。逐うこと勿れ。七日にして得ん」
<読み方>
ふ その ふつを うしなう。おうこと なかれ。しちじつにして えん。
<爻辞の意味>
「婦人が日除けを失う。追うことはない。しばらくすれば戻ってくる」
「水火既済」とは「すでにととのう、すでに成就している場合」について説かれた卦(か)です。
そんな中この二爻である婦人は、外出時に欠かせない馬車を覆う日除けを盗られてしまいました。
すでにととのっていた状態を損なわれた訳ですが、それをなんとかしようと盗人を探し出そうなどと考えてはいけないと言っています。
しばらくすれば、日除けは自然に戻ってくるのです。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
「茀」というのは髪飾りのことだとか、あるいは日除けのことだとも言います。
離をもって美飾とするので飾りとも見れますが、二三四の車を初と五との二陽が、それぞれ互体の離をなしながら覆っているのは、車の覆いの象にも取れるでしょう。
その茀を失くしたため婦人が外に出ることができず、進むことが制され、悔吝を見ないという爻の意義から言うと、車の覆いであると見たほうが良いかもしれません。
そして、その失くした茀を追い求め、進むことになったなら、既済の乱れを招くことになるので、追わないほうが良いのです。
放任しておいても七日(爻の一循)もすれば、自ずと復ってくるものですし、そのようにして進むことを控えるのが、既済の道に中ると言っています。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)