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〈爻辞〉
「藉くに白茅を用う。咎なし」
〈読み方〉
しくに はくぼうを もちう。とがなし。
<爻辞の意味>
「白い柔らかな草を敷く。咎めを受けることはない」
「沢風大過」とは「大いに過ぎる」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中この初爻は、丁寧すぎるほどに慎み深い、控えめである爻です。
その喩えとして、金や玉などを置く際に、直に置くのではなく清潔で柔らかな草(ちがや)を敷き、その上に置くと言っています。
このように慎み深く、丁寧に物事を行うので失敗がないのです。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
「茅」とは「チガヤ」です。
チガヤには色々種類がありますが、ここで言うのは白茅で、屋根に葺くチガヤです。
この初爻は陰で、本末の弱い「本」のほうです。
四陽の重みを載せているので、びくびくと恐れています。
重く剛いものを迎えるには、軽く柔らかなものが良い…「柔よく剛を制す」です。
つまり強気で出ずに、ふんわりと包む。
だから咎なきわけです。
大過の時に処するに力なきものは、恐れてこれを柔らかく包めば咎なきわけです。
柔とは、内卦巽の主爻で陰爻だからです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)