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<爻辞>
「おそれて號う。莫夜に戎あるも恤うる勿れ」
<読み方>
おそれて よばう。ぼやに つわもの あるも うれうる なかれ。
<爻辞の意味>
「恐れて号令する。日暮れに戦が起こっても心配はない」
「沢天夬」は「裂き破る」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中この二爻は、常に恐れ慎み、人々に対しても大声で警戒を促しています。
それゆえ、たとえ日暮れに突如、戦が仕掛けられても破れを取らない。
だから憂うることはないと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
この二爻もまた、上爻を決する五陽の一つで、進むことの強い内卦乾の一爻です。
しかし中を得て陰位にいるので、初爻のように猪突猛進はしません。
進むことをおそれ戒め慎んでいます。
常に警戒して、號うのです……注意しろ!などと叫んでいるわけです。
そのように注意し、警戒していれば、夜になって敵が攻撃して来ても破れをとらないと言うのです。
「莫夜」の莫は、暮と同じです。
この爻が変ずると離となり、日の意味がありますが、兌の西の下に没しているので夕方の象があるからです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)