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<爻辞>
「號うなし。終に凶有り」
<読み方>
よばうなし。ついに きょう あり。
<爻辞の意味>
「叫んでも無駄である。ついに凶に陥る」
「沢天夬」は「裂き破る」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中この上爻は、唯一「裂き破られる側の者」です。
柔弱で人に媚びるだけで高い位を手に入れていたとしても、ついに裂き破られる時が来たのです。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
「號う」というのは外卦の兌を口とするところからです。
この爻が変ずると乾となり、乾は充満した形で今まで叫んでいた口が塞がれるところです。
上爻が、下から進んできた五陽爻のために決し去られる時に当たっており、声も出ないように窒息させられるところです。
これが「號うなし」です。
「終に凶有り」とは、この爻の身の凶を言うのであって、上位の枢要な位置にいて勢望威力を持っていた小人も、結局は決し去られるので凶有りなのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)