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<爻辞>
「包に魚有り。咎なし。賓に利ろしからず」
<読み方>
つつみに うおあり。とがなし。ひんに よろしからず。
<爻辞の意味>
「包みに魚がある。咎めを受けることはない。客に出してはいけない」
「天風姤」とは「(良からぬ者などに)思いがけず遇う」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中この二爻では「魚があるけれども、それを客に出してはいけない」と言っています。
この二爻では、良からぬ者のことを魚に喩えています。
二爻は、良からぬものに偶然出逢い、それ(魚)を所有しているが、
それは非常に生臭いものなので、お客にお出ししてはならない。
いわば二爻の責任下で包容し、外へは出さないようにするのです。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
「包に魚有り」の魚とは、初爻を指しています。
魚を陰物としますが、巽のどこへでも入りこんで行く象から魚と見たとも言えるでしょう。
五爻では、魚ではなく瓜と言っておりますが、陽の陰を好む性向を
主として、そうした甘美なところに例えて魚とか瓜とか言っているのでしょう。
この二爻は、すぐ下に初爻がいますので、これが伸び進んで行くのを
しっかりと止め、包み蔵しているわけです。
初爻の辞に金柅とありましたが、それは剛中を得ているこの二爻の事です。
もし初爻の勢いが長じて、この二爻を犯せば、天山遯となり、続いて天地否となりますので、あくまでも食い止めなくてはなりません。
この二爻は、繋ぐべき金柅でありますし、初爻を包み込んで他に累を及ぼさないようにする任務を負っているのです。
それが「賓に利ろしからず」で、魚は美味しいので客も喜ぶだろうとこれを勧めると下痢をしたり中毒したりする恐れがある……皆が好んで求め、食べたそうにしても、客に勧めてはいけないのです。
すなわち情においては好むことではあっても「義、賓に及ぼさざるなり」なのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)