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<爻辞>
「或いは之に鞶帯を錫う。終朝三たび之を褫く」
<読み方>
あるいは これに ばんたいを たまう。しゅうちょう みたび これを ひく。
<爻辞の意味>
「たとえ裁判に勝ち、栄誉を得るようなことがあったとしても、それは決して永続するものではない」
天水訟の卦(か)は、訴えたり人と争ったりすることは、最後までやり通してはいけないという教えを主軸にしています。
そんな中、この上爻は、最後まで争いを貫いてしまいます。
もし、その争いに勝ったとしても、最後まで争い続けたという咎めを免れることはありません。
そんな栄誉は長続きしないのです。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
「鞶帯」というのは服の上に締める革の大きい帯のことで、転じて
礼服の意味となります。
終朝とは午前中のことです。
この上爻は、訟の終わりの爻です。
訟は最後までやり遂げてはいけない、中を守って早く和解すべき
であります。
しかし、この爻は訟に勝ち、その正しさが認められ、上から礼服を
頂だいする……しかしそれは少しも尊敬に当たらない。
何故かと言えば、訟を最後までやり遂げ、他を圧迫し、人を傷つけ
服を受けるようなことは君子の取るべき道ではないので、敬するに
足らないというわけです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)