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〈爻辞〉
「復るに迷う。凶。災眚あり。用いて師を行れば終に大敗あり。
其の國君を以てするも凶。十年に至るも征する克わず」
〈読み方〉
かえるに まよう。きょう。さいせい あり。もちいて しをやれば ついに たいはい あり。その こくくんを もってするも きょう。じゅうねんに いたるも せいする あたわず。
<爻辞の意味>
「善なる道へかえるに迷う。凶。わざわいが起こる。もし戦をすれば大敗を招き、その害はその国の君主にまで及ぶ。凶。その後も、いつまで経っても回復させることはできない」
地雷復は「善にかえる道」について説かれた卦(か)です。
そんな中この上爻は、結局いつまで経っても善なる道へかえることのできない者です。
そうなれば数々の災いを免れることはできず、もしそんな中、この上爻が戦でも起こせば大敗は必至です。
その痛手や損害は、いつまで経っても回復できないと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
この上爻は、卦の最も遠い所にあるので、道を踏み外してだいぶ遠くへ行ってしまっていると見なくてはなりません。
どうやって旧に戻ったらよいのか帰りの道も分からなくなっています。
「復るに迷う」というのが、そのことです。
そして善の道へ復ろうとする一筋の心を、迷い失っては、もはや悪人の輩で、それが凶であることは言うまでもありません。
君に背いた敵とも言えるでしょう。
復の時代にあって、復の道に従うことができない……そのため色々な災い(天道に背いたためのわざわい)と眚(自ら犯した過ちから生ずるわざわい)が生まれるのです。
「用いて師を行れば」というのは、この爻が変ずると山雷頤となって、両軍が対峙する象となるからですが、災眚を被るような爻ですから、戦っても大敗を受けるだけに終わります。
このような邪徒が、たとえ国君の力を借りて戦いを行っても勝ち得るものはありません。
十年という長い月日を費やしたとしても、征ち勝つ望みはありません。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)