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<爻辞>
「鳴謙。用いて師を行り邑国を征するに利ろし」
<読み方>
めいけん。もちいて しを やり ゆうこくを せいするに よろし。
<爻辞の意味>
「謙虚である人を見て、それに習う。領地内の服従しない者について、これを征伐する」
「地山謙」とは、謙遜するという意味の卦(か)です。
そんな中この上爻は、自分の領地内にいながら服従しない者を征伐します。
謙遜の卦の中にある「征伐」なので、あくまでも不遜な者をこらしめるのが目的であり、決して自分の領地を広げようなどとするものではありません。
そのような挙兵であれば、よろしいと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
いよいよ謙の卦が極まるところ、謙が極って不遜に変じようとする
兆候があります。
それで、応爻である成卦主爻の三爻の「労謙君子」と心をあわせ
て謙の道にいそしんできたこの上爻を用い、そのような不遜不服
な者を征伐しなくてはならないのです。
「邑国」というのは外国ではなく、国内の部落、県城といったもの
です。
ですから、上爻であり君の顧問とでも言うべきこの爻を、その征伐
に当たらせるのです。
外国との戦争には「長子師を帥ゆ(地水師 五爻)」が、師の正則で
すが、国内を平定するには民の尊崇を得ている元老を用いた方が
良いのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)