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<爻辞>
「齎咨涕洟。咎なし」
<読み方>
しし ていい。とがなし。
<爻辞の意味>
「嘆き悲しむ。咎められることはない」
「沢地萃」とは「たくさん集まる」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中この上爻は、集まりたい気持ちはあっても孤立してしまっている者です。
それゆえ嘆き悲しんでいるのです。
しかし嘆き悲しむほど人と集まりたいという気持ちを持っている者なので、咎めを受けるほどの過失はないと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
この上爻は萃の終わりにあって、萃極まって反き散ろうとする変化が生まれ、そこに哀愁の生じる意味があります。
「齎咨」というのは嘆き悲しむことの形容で「涕洟」は、涙や鼻汁を出して泣く事です。
なぜ「齎咨涕洟」するのかというと、この爻の居るところを見て、位が高くて実が無いのですから、四爻に対するように下卦の陰爻から心を寄せられることもありません。
そうかと言って、上爻は兌の主爻で喜び止まることを望むため、自ら五爻へ集まる心を捨てて山野に陰遯するようなこともできません。
そのように惑い悩むところがあるのですが、そうかと言って集まることを専らにするには、時を失っています。
そして萃を全うできないことを嘆くのですから、憐れむべきところはあっても、咎なきを得られるのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)