てんちひ2

独学者のための易経解説
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天地否 二爻

てんちひ にこう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>
「包承す。小人は吉。大人は否にして亨る」

<読み方> 
ほうしょうす。しょうじんは きち。たいじんは ひにして とおる。

<爻辞の意味>
「包み込まれて、それに従う。小人なら吉。大人なら、それを受けいれなければ道が守れる」

この二爻は、素直ですが力が弱い者です。

そこへ、包容してくれる優れた者がやってくるので、それに包み込まれて救われます。

しかしもし、二爻自身が強く優れた者であるならば、今現在は思い通りになっていないからといって、安易に包容され、流されるというのでは自分自身の道を曲げることになってしまいます。

強く優れた者ならば、あえて包容されるのを拒むことで、自分の道が守れるのだと言っています。



「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。





加藤大岳述 天地否 二爻

<説明の要点>

初爻は否の始めでしたが、二爻は否中の否の最たるものです。

このように否の意味が極めて強い時に処するにはどうすればよいかと言うと、「包承す」なのです。

包承というのは字の通り、他に包み込まれて、その中で従ってゆくということです。

つまり、大波がドンときたら、それに逆らったりせず、その中に素直に従いうけていく。

そんな行き方で、自分の力を使わずに岸まで運んでもらうのと同じです。

立場を変えて言えば、自分の意見や抱負があっても、それを胸に隠して外へは表さず、時の勢いに従って行く。

ちょうど坤為地の四爻に「嚢を括る」とあったように袋の口を締めて黙々と従って行く事だとも言えます。

「小人は吉」とあるのは、この否のような時にあって小人ならばその勢いに良く順応して行けるので、吉を得られるということです。

しかしこれが大人ですと、今は君子の道の消ずる時で、塞がって通じないわけです。

しかし、この時運に逆らって道を明らかにしようと動いたりせず、大人もまた否の時に順応しするよう自らを包承し、亨通の時が来るのを待つというのです。

従って「群を乱さざるなり」で、非を非として挙げたり、事を荒立てたりしないので小人の群れを乱さない。

乱さないから危害を加えられることなく、時が来るのを待つことができるわけです。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)



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