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<爻辞>
「命有り咎无し。疇祉いに離く」
<読み方>
めいあり とがなし。 たぐい さいわいに つく。
<爻辞の意味>
「段々に良い気運に変化しようとしている。仲間も皆、大きな幸福を得られる」
「天地否(てんちひ)」の卦(か)は、「ふさがって通じない」という卦ですが、この四爻までくると天地否の半ばも過ぎ、段々に泰平に近づいていこうとします。
それに伴い、これまで耐え忍んできた者…、自分一人だけではなく仲間も皆、幸福を得るのだと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
四爻は、否中の泰に一歩入ったところです。
しかし外卦へ移ったからと言って急に塞がっていたものが通じるわけではなく、否の頂点を越えたというだけの爻です。
「命有り」の命は天命です。
どういうことかと言うと、否は否で終わるのではなく消長循環の理によって泰にゆく、その回天の命運です。
「疇」というのは仲間の意味。
「祉」は、福祉などという祉で「さいわい」です。
「離」は文字から言うと「はなれる」ですが、小成卦の離を「つく」と読むように、ここでは「つく」のほうです。
四爻は、否中の泰の始めですから、君側の重要な位置にあり、移りゆく天命を見て、君のために努力するので、咎なきを得るのです。
また、そのように努力することは自分一人の祉だけでなく、多くの仲間にも及ぼすことができるものである。
四爻は天地が交わって志が通じるという気運がようやく兆してきたので、願うことを行えるようになりつつあるというのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)