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<爻辞>
「師は出づるに律を以てす。否らざれば臧きも凶」
<読み方>
しは いづるに りつを もってす。しからざれば よきも きょう。
<爻辞の意味>
「戦を始めるときは軍の規律を厳正にしなくてはならない。
そうでなければ、たとえ一時的に勝ち進んだとしても、終いには必ず凶となる」
地水師の卦(か)は「戦の道」を説いた卦です。
その「初爻」ですから、これは戦の始まりにあたります。
戦の始まりにおいて、内部の規律が乱れていては、たとえそれが正しい戦であったとしても凶となることを言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
「臧」というのは「よし」で、「厚し」とか「おさまる」とか「善」という意。
これは初爻ですので、軍の始まりで、出陣です。
出陣の時には、まず律をもってしなくてはならない。
調和が保たれれば足並みもピッタリそろいます。
そのための規律、ここでは軍律ということになります。
師を出すには、まず全軍が上も下もピッタリと心が合い、その調和
によって自ずから正しく規律が行われなければならないというので
す。
「否らざれば臧きも凶」とあり、そういう規律が行き渡っていなけれ
ば、よき戦・正義の戦であっても凶であるという意味です。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)