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<爻辞>
「大君命あり。国を開き家を承く。小人用うる勿れ」
<読み方>
たいくん めいあり。くにをひらき いえをうく。しょうじん もちうる なかれ。
<爻辞の意味>
「戦が終わり、論功行賞の時。優れた人物には土地を与え、治めさせるのが良い。
しかし道徳の乏しい人物には、いくら戦で活躍したからと言って土地を治めさせてはいけない」
これは戦が終わって、活躍したものに褒美をとらせる論功行賞の時です。
優れた者が戦で活躍したなら、土地を与え治めさせるのが良いが、その器のない者には金銭の類を与えるにとどめなくてはいけない。
そうしなくては、新たな乱れを生むこととなると言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
この爻は戦いの終わりです。
「出づるに律を以て」した軍が終わって、論功行賞をするところで
す。
「命あり」というのは、論功行賞の大命で、国を開いて新たに諸侯
を封じ、あるいは卿や大夫に任じて家を保たせる。
そうして、その功に酬いるわけですが、小人はたとえ功労があって
も一時的な恩賞にとどめ、決して地位や権力を与えてはならない。
ようやく平和にかえった国内が、乱れを醸すのは、小人や権力を
得て、その功を誇って慢心するからです。
師の初めでは出陣の道を説き、その終わりには行賞の道を教え
ているのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)