だいたく4

独学者のための易経解説
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兌為沢 四爻

だいたく よんこう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>
「商りて兌ぶ。未だ寧からず。疾を介て喜び有り」

<読み方>
はかりて よろこぶ。いまだ やすからず。やまいを へだてて よろこび あり。

<爻辞の意味>
「悦びについて思い迷う。心がいまだ落ち着かない。病を隔てて悦びがある」


「兌為沢」とは「悦び楽しむ」ことについて説かれた卦(か)です。

そんな中この四爻は、どちらの道を取って自分の悦びとしようか思い悩む者です。

本当は、こちらの道を取るのが正しいと解っていても、もう一方の道も魅力的であり捨てきれません。

それで思い迷っているのです。

しかし魅力的だが正統でないほうの道(病に喩えています)を隔てて、きちんと正しい道に進んでいくならば、大いなる喜びが得られると言っています。


「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。


加藤大岳述 兌為沢 四爻

<説明の要点>

兌の成卦主爻の上爻と、主卦の主爻の五爻と、成卦の偽主の三爻とを、この卦の中に見ることが出来ますが、この四爻はその三つの主爻の中の二つ……五爻と三爻に隣り合っています。

その、どちらにつこうか考え比べて、未だ心が決まらないのが「商りて兌ぶ。未だ寧からず」です。

三爻とは陰陽の交わりになっているので情において惹かれやすく、五爻とは同じ陽同士であるため、義に励む積極的努力が、その交わりには要されます。

それがすなわち「疾を介て」いることであり、あたかも病であるように自分にまつわって行いを妨げる三爻との間に境界を作ってそれを退けるという消極的な対策を施すのです。

それにより、五爻の公に交わり尽くすという積極的な行いができれば、そこに初めて悦びが生ずるが、その悦びたるや単なる愉悦ではなく、大いなる幸いであると言うのです。

「商」とは、比べ量ること。「寧」は安定すること。

「介」は境を設けて固く自らを守ること。

「慶」は、大いなる幸いという意味です。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)


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