ふうらいえき5

独学者のための易経解説
トップページへリンク 易の基本へリンク 64卦解説へリンク 占例集へリンク

風雷益 五爻

ふうらいえき ごこう
まずは、やさしい解説から

━━━
━━━○
━  ━
━  ━
━  ━
━━━

<爻辞>
「孚ありて恵心。問うこと勿れ元いに吉。孚ありて我が徳を恵む(恵とす)」

<読み方>
まこと ありて けいしん。とうことなかれ おおいに きち。まこと ありて わが とくを めぐむ。(めぐみとす)

<爻辞の意味>
「真心があり人民を思う。占うまでもなく大吉。(臣下人民も)真心で王の恩恵を受け心服する」

「風雷益」とは「物を増す。益すること」について説かれた卦(か)です。

そんな中この五爻は、人民に益するために真心で政治を行う王です。

その思いは臣下人民にも伝わって、下の者も真心で王に心服するのです。

占うまでもなく大吉と言っています。


「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。


加藤大岳述 風雷益 五爻

<説明の要点>

これが君位にあって、益卦を司る爻です。

それゆえ、四爻のように、身みずからを損して下を益してはいませんがその心は絶えず民の乏しいことを患い、それを救おうとする慈恵で満たされています。

上に立つ者にそのような孚があれば、あえて十朋の龜に問うてみるまでもなく大いに吉であって、民もまた、その孚で、その徳を恵むことは必定です。

一つの爻の中に二度も「孚」に言及しているのは、この爻の他には未済の上爻だけです。

益道において、いかに孚を尚ぶかを知ることが出来ますが、初めのほうの孚は上の者の孚を言い、後のは、それに感応する民の孚を指しています。

「問う」ということは疑うところがあるから問うわけで、上記のような孚を疑い問うようなことがあってはならないのです。

また、下々の者がその徳を恵むというのは、君の徳があまねく行き渡っている証であって、大いに人心を得ているのだと言っています。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)


風雷益 上爻へ進む ⇒


このページのトップへ移動