━━━
━━━
━ ━
━ ━○
━━━
━ ━
<爻辞>
「其の躬を渙らす。悔いなし」
<読み方>
その みを ちらす。くいなし。
<爻辞の意味>
「自分の身を散らしてしまう。悔いはない」
「風水渙」とは「散る、散らす」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中この三爻は、自分の一身を散らしてしまいます。
公田連太郎先生の御著書には「身を殺して仁を成す」と記されています。
才能は乏しいが志が強いため、世の中がバラバラに散り乱れているのを見て、一身を投げ出して救おうとするのです。
しかし能力が足りないわけですから、おそらく失敗に終わるのですが後悔はしないと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
これは、憂悶を渙らすとか群れ集う衆を渙らすとかいうのではなく、自分自身の体を渙らすと言っております。
わが身を渙らすというのは、わが身を顧みないということです。
では、わが身を顧みずに何をするのかと言えば、応爻である上爻のもとへ赴くのです。
渙の時にあって、陰柔かつ不正なので本来なら悔いるところでありますが、上爻へと赴くことにより、その悔いをなくすことができるというのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)