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<爻辞>
「敵を得て、或いは鼓し、或いは罷み、或いは泣き、或いは歌う」
<読み方>
てきを えて、あるいは こし、あるいは やみ、 あるいは なき、あるいは うたう。
<爻辞の意味>
「敵に出逢った。怒ったり太鼓をたたいたりして攻める。泣いたり笑ったりする」
「風沢中孚」とは「真心が信頼関係を生む道」について説かれた卦(か)です。
そんな中この三爻は、強さ正しさのない者です。
であるにも関わらず、争うべき敵(や物事)に出逢ってしまいます。
太鼓をたたいたりして相手を攻めますが、勝てそうにないため泣きだします。
しかし少しでも良いことがあれば、今度は歌いだしたりして喜怒哀楽が常にくるくる変化します。
こんな調子では、物事が上手くいくはずがないという教えです。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
ここに敵とあるのは、初爻に対する四爻、二爻に対する五爻と同じように、応爻の上爻を指しています。
三爻と上爻は陰陽相応じて孚すべきであります。
しかし両爻ともに位が正しくなく、中孚は「貞に利ろし」の貞正を失っているのです。
その状態で、陰陽応ずるがために、かえって敵でもあるように憎しみをもって相対するというのです。
ですから、鼓舞してこれを討つかと思うと、たちまちそれを止め、あるいは泣き、あるいは歌うというように、定まるところのない狂態を演ずるわけです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)