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〈爻辞〉
「闚い観る。女の貞によろし」
〈読み方〉
うかがいみる。じょの ていに よろし。
<爻辞の意味>
「のぞいて観る。女としての正しい道を守っているのが良い」
「仰ぎ観る・観察する道」について説かれた、この「風地観」の卦(か)において、この二爻は、家の中にいて門の隙間から世間の様子をのぞき観る程度の視野しかありません。
ですので、世の中を見渡すような、物事全体を見渡すようなことはできません。
そのような立場にある者は(昔の)女性のような道……あまり大きなことをしようとせず、柔順な精神で家の中を保つ……そのような道を固く守るのが良いと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
「闚い観る」とは「窺い見る(うかがいみる)」ことです。
童観のように蒙昧なだけでなく、正しく物を見極めようとする意欲が湧いてきています。
しかし、その全貌を明らかにするというほどの域には至っていない。
ちょうど、物を隔てたその隙間から垣間見るようなのが「闚い観る」です。
そして、童観が小人に咎なしであったように、女性もまた、己の分に止まって出過ぎたことをせず、窺い見る程度の観なのが、かえってよろしい意味もあります。
ですから、女子は「闚い観る」ことは恥ずべきことではなく、君子は恥ずべきだとされています。
これは、この爻が柔順中正であるように、女のなすべき天賦の性を活かす事こそが、真に女性を尊ぶことだという考えからです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)